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全ては海への想いをつなぐために

「現実は自らと調和している。」これは近代科学の父と言われているアイザック・ニュートンが「複雑に見える様々な現象が、実はシンプルな法則でつながっており、美しく調和している」という意味で唱えた言葉です。

消費主義を主軸とした経済発展により世界は物的に充実した一方、社会構造が複雑化し、自らの発展過程で発生した金融エコシステムの異常やパンデミックにより金融経済及び実体経済に危機をもたらしました。

その結果、社会を優先するのか、環境を優先するのか、経済を優先するのか、私たちは自らに選択を迫りました。しかし、これまで経済を優先してきたことを鑑みると、どれか一つを選択することが正解ではないことは明白です。

私たちは社会、環境、経済の全てが共に発展する選択をとるべきです。確かに、全てを発展させることは難しいことかもしれません。しかしながら、私たちは全てを発展させる調和された答えを探し続けることはできます。そしてその答えを探す過程こそ尊い行動であり、人類の飛躍的な発展につながると信じています。

欧米に倣い日本でも発展を遂げてきたマリンレジャーは、世界的地位を確立した国内ブランドの台頭及び国内への普及により業界としても成長してきました。さらに、技術の発展と新たな試みはマリンレジャーを一般化し、今では海と様々な接点を持てるようになりました。これらの軌跡からマリンレジャーが多くの方々の心を魅了し、豊かにしてきたのは明らかです。

ただ、海には計り知れない魅力がある反面、常にリスクと隣り合わせです。どれほど技術が発展し、個々人が安全に気を配ろうとも自然の力にあらがえず、事故が発生しているのも事実です。これからも技術革新によりリスクが減少することは大いに期待できます。しかし、気候変動による海の不確実性はさらに高まることが予想されます。その不確実性への対応こそマリンレジャーにおける大きな課題ではないでしょうか。

海で起きる事故の要因を定量的に分析することで、事故を未然に防ぐと同時に、万が一に事故が起きたときにでも海との接点を持ち続けられるよう努めることこそ、私たちの責任であると考えております。そのため、創業以来、私たちはプレジャーボートの損害査定を専門とし、約30年の間に18,000件以上の査定を行ってまいりました。

リスクと機会は一見、相対する課題のように捉えられます。また、海の不確実性の増加、生活様式の変化、イノベーションなどが要因となり、リスクと機会の相関性は変化し続けます。そのため、リスクを回避するために、海から離れたかたもいらっしゃるでしょう。しかし、それは同時に心を豊かにする機会を損なうことに繋がります。

そのような中、これからも海への想いをつなぐために、私たちはリスクを最小化し、心の豊かさ育み、レジリエンスを高められる答えを探し続けます。

社会、環境、経済の全てが発展する調和された答えを探し続けるのと同じように。

全ては海への想いをつなぐために

アクア船舶鑑定株式会社
代表取締役 崔 成基